田舎に移住し、自分の畑を持って農業をしながらの生活が送りたいです。田舎移住のリアルなところが知りたいです。
こういったことにお答えします。
・田舎移住で失敗する人
・田舎暮らしをしたい人が失敗しなためにすること
この記事を書いている僕は、田舎の地方自治体で、農業支援や生活支援の仕事をしています。
都会から田舎に移住して、農業をしながら子育てをしたいという人は本当に多いですね。相談件数も年々増えているように感じます。
今回は「都会からの田舎移住」をテーマに書いていきます。
結論を先出しすると、次のとおり。
新型コロナウイルスの影響もあり、今後、田舎暮らしを希望される人も多くなると思うので、そういった人にも移住する前に一度目を通してもらえたらと思います。
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「半農半X」というライフスタイル
移住を希望され相談に来られる人は、半数以上が「半農半X」というライフスタイルを希望されています。
半分は農業で、半分は「X」
「半農半X」とは、京都府綾部市で塩見直樹さんが提唱する、農業で自給自足的な生活をして、残り「X」は、ミッション、好きなこと、集中すべきことをして生活をするという生き方です。
半農半Xの魅力
魅力はやっぱり、のんびりと流れる時間の中で、自分の生きがいとなることをしながら生活することで、人生のコスパが高くなるところでしょう。
「X」の部分には、それぞれの「何か」が入ります。
もちろん人によって違います。
自然に触れながら子育てをしたい。
趣味の陶芸を本気で極めていきたい。
農家民泊を始めたい。
音楽活動ができる古民家カフェを開きたい。など
都会では過ごすことができない時間を田舎では過ごすことができます。
そして、「X」の部分と組み合わせて、自給的生活を送るために「農」を取り入れる。
「農」と「X」を掛け合わせることで、殺伐とした都会で生活するよりも、格段に人生のコスパが良くなり、心に余裕が生まれるのが最大の魅力です。
田舎移住で失敗する人
田舎移住を失敗する人の特徴は大きく2つです。
特徴②:田舎は生活費があまりかからないを鵜呑みにする
特徴①:地域からの理解が得られない(地域を理解していない)
地方自治体で働いてると良く耳にする、移住者が陥りがちな「移住者あるある」の一つです。
どこに住んで、何をしようと移住者の勝手です。
でも、移住先には元々からそこに住んでいる人がいます。
移住したはいいけど、地域に馴染めない、浮いた存在になるという人は、地域ルールに従えていないことがあります。
田舎は広い土地のわりに住んでいる人の数が少ない分、自分たちのことは自分たちで解決しないといけません。
そのため自治会の結束、横のつながりが非常に強いです。
例えば、地域の草刈りや祭りの役員などは、あまり移住者が参加しないということで、地元からのクレームになります。
「郷に入れば郷に従え」という言葉があるように、その土地やその環境に入ったなら、地域の習慣ややり方に従う必要が少なからずあります。
特徴②:田舎は生活費があまりかからないを鵜呑みにする
よくネット上で「田舎は生活費があまりかからない」とあります。
正直、これはあてにならないです。
さすがに、東京で生活していた人が、田舎に移住すると家賃に当たる部分は格段に下がりますが、それ以外の部分は、どこで生活しようとそれほど変わりません。
都会から田舎に移住してきたはいいものの、やっぱり生活ができなくなったからと言って生活保護になるパターンもあります。
田舎は自動車が必須だったり、地域付き合いの出費だったりして、なんだかんだで結構かかります。
また、地方には大学がなかったりするので、子供が進学する場合は、ほとんどの場合、一人暮らしをさせる必要があります。私立の文系の場合、4年間で学費と生活費を合わせて1,000万円ほどかかります。
自分たちが生活しながら、子供の学費にこれだけかかるとなるとかなり覚悟が必要です。
そのための資金を貯金したり、老後の生活費を確保しようとすると、毎月金銭的な余裕はなかったりします。
田舎暮らしをしたい人が失敗しないためにすること
田舎暮らしを成功させるためにすることは3つです。
その②:お試し住宅の活用
その③:計画的にしっかり資金を準備する
その①:住みたい地域のある役所に積極的に足を運ぶ
移住先の候補地をネットで「田舎移住 おすすめ」とかで検索すると、それなりの件数がヒットします。
ただ、正直言ってどれも良いことばかり書いてあって、市町村のPR広告を見ているような感じになってしまいます。
最初のとっかかりとしてネット検索を使うのは、もちろんありですが、良さげな地域があれば、積極的にその地域の役所に足を運びましょう。
ネットには出てこない生の地域の情報が聞けますし、移住に当たっての支援制度も教えてもらうことができます。
また、地域の問題点(例えば、水害が起こりやすいエリア、携帯の電波が届きにくいエリア、獣害が多いエリア など)を初めに教えてもらうことが大切です。
断片的な情報ではなく、一貫した情報を役所から仕入れて、補完的にネット情報を使うのがいいと思います。
その②:お試し住宅の活用
最近はどこの市町村でも、「お試し住宅」という制度があります。
お試し住宅は、空き家などを市町村が住めるように準備して、移住希望者に一定期間貸し出す制度です。
移住者の受け入れが積極的な地域では、数日から1ヶ月単位で、お試しで住宅を借りられるところもあります。
移住をする際に気になることは、どんな地域か?というところ。
実際に住んでみないと合うか合わないかわかりません。
朝・昼・夜の違いや、夏や冬などの季節の違いもしっかり体験できますし、地域の気質も肌で感じることができます。
いきなり移住して失敗した!というリスクをかなり軽減することができます。
その③:計画的にしっかり資金を準備する
田舎だからといって、生活費があまりかからないは大間違いです。
同じ日本国内なので、どこで生活しようとも大差はありません。
移住先の市町村で補助金を当てにしても、ほとんどの場合期待はできません。
思いつきで移住するのではなく、ある程度しっかり計画を立て移住後の生活資金の準備をする方が吉です。
のんびりと流れる時間の中で、自分の生きがいとなることをしながら生活するにしても、一定のお金は必要になってきますからね。
こういったところで今回は以上です。
田舎暮らしは、自然の中で子育てをするには間違いなく最高の環境です。
地域のつながりが強い分、地域で子育てをしていると実感できると思います。
是非、積極的に田舎暮らしを楽しんでみてください。